非正規の友よ、負けるな

32歳で命を絶った萩原慎一郎さん。慎ちゃんは非正規社員として働くかたわら、たくさんの短歌を詠み続けた若き歌人でもありました。

名門武蔵中学に入学して、いじめにあって、そして思わぬ人生の道を歩まざるをえなくなった少年。慎ちゃんの残した歌集には、同じ境遇にある友への労りと、「負けるな」という心の底からのメッセージが詰まっています。

頭を下げて頭を下げて牛丼を 食べて頭を下げて暮れてゆく

非正規の友よ、負けるなぼくはただ 書類の整理ばかりしている

作業室にてふたりなり 仕事とは関係のない話がしたい

非正規社員の出口のない労働を通じて身にしみ込んだ辛い思い。そして人を好きになること。「いつかしあわせになる」という希望。

最後に残した歌 ”あらゆる悲劇咀嚼しながら生きてきた いつかしあわせになると信じて

 

“非正規”歌人が残したもの(NHK)

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